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新市における地域医療・救急医療のあるべき姿(概要)
基本方針  ●体制  ●診療機能  ●経営計画  ●市民参加による病院づくり
新市における連携体制  ●その他
新市における地域医療・救急医療のあるべき姿 PDFファイル [1.5MB]

T 基 本 方針
@すべての市民に安全と安心を
 救急・休日平日夜間診療について、全市民に平等なアクセスと質を提供する。そのため、旧市町をブロックとして、自治体病院と地元医師会との連携を拡充することにより、救急・休日平日夜間診療をさらに整備する。
A街全体がホスピタル
 自治体病院と民間医療施設との連携・機能分担をさらに強化する。診療圏が広域化することに対して、通院の利便を高めるため公共交通網の整備を求める。
B予防から介護までの一貫したサービス体制
 一般医療だけでなく、疾病予防・健康増進、末期医療・緩和ケア、福祉介護に至るまで、全市民が一貫したサービスを受けられるよう、その機能を整備する。

U 体   制
1 経営主体
 新市における病院事業局が地方公営企業法の全部適用により、病院経営を行うこととする。


2 組織機構
@ 4病院1診療所を統合し、経営と人事の一体化を図る。新病院は現古川市立病院を本院、3町立病院・1診療所を各分院・診療所とし、本院を「大崎市民病院」、各分院を「大崎市民病院鹿島台分院」「大崎市民病院岩出山分院」「大崎市民病院鳴子温泉分院」とし、診療所を「大崎市民病院田尻診療所」とする。
A 全体を統括する病院事業管理者を置くとともに、本院・分院・診療所にそれぞれ院長・分院長・所長を置くものとする。
B 病院事業管理者は、地方公営企業の全部適用の下、本院・分院・診療所を一体として管理する。なお、医療法上の管理・責任については、院長・分院長・所長が行うものとする。
C 病院事業管理者の下に病院事業局を設置し、経営管理部門を強化する。病院事業局の中には企画部門・人事部門・経営部門を置く。本院・分院・診療所の事務部門は、病院事業局の下で、本院・分院・診療所における経営及び業務を行う。

※病院事業局に設置する各部門は、次の業務を分掌する。
企画部門
国及び県の医療政策動向、診療報酬制度の改定等、医療環境の変化を把握し、病院の将来像を描きながら、今後の医療環境を生き抜く経営戦略の企画、病院事業管理者への提案、サービス向上のための中長期ビジョン構築、医療訴訟への対応及び中長期にわたる経営戦略の立案を行う。
また、すべての市民が安全かつ必要な医療が受けられるよう市民サービスの向上及び施設設備の整備を行うとともに、遠隔医療ネットワークを利用し、本院・分院・診療所及び地域医療機関等へ最新の情報を発信し、情報管理を行う。

人事部門
本院・分院・診療所における人事管理を一元的に行い、東北大学病院との連携により、医師を始めとする職員確保を行う。
また、すべての職員のモラル向上を図り、適切な就労環境において業務が遂行できるよう福利厚生に関する業務を行う。
更に事務職・技術職ともに本院・分院・診療所間の移動を可能とする(勤務地により給与加算を考慮)。
事務職については、市長部局との交流を行う。

経営部門
本院・分院・診療所間を医療連携、経営情報のネットワーク化により、経営情報を収集・統括し、経営健全化計画の立案及び計画の実施を行う。
また、本院・分院・診療所における医薬品・材料・物品等の共同購入、一括外部委託等経営面の効率化を推進し、経営基盤の強化を積極的に推進する。

D 外部評価委員会を設置し、医師会、市民代表、各方面の有識者・専門家による評価を受ける。これにより、新病院における医療の質の確保と経営の安定化について、定期的に幅広い意見を受ける。

※外部評価委員会の構成
外部評価委員会 委員会の下部組織
診療評価部会 経営評価部会 運営評価部会
評価 各部会検討内容及び結果の評価 各病院、診療所における診療全般にわたる評価 各病院、診療所における経営全般にわたる評価 各病院、診療所における患者サービス全般にわたる評価
構成員 医師会、患者を含む市民代表、有識者、専門家等 医師会、患者を含む市民代表、有識者、専門家等 医師会、患者を含む市民代表、有識者、専門家(会計監査法人)等 医師会、患者を含む市民代表、有識者、専門家等

《評価の流れ》
評価の流れ図


3 市民病院構想
新市における現古川市立病院を中核とした一つの市民病院構想


4 会議
 管理者・院長会議を設置し、本院・分院・診療所の運営状況を定期的に協議する。これには、病院事業管理者、院長・分院・診療所の医療上の問題及び経営上の問題などについて協議を行う。

V 診 療 機 能
1 基本機能
@大崎市民病院
 新市における中核医療施設として、主に3次救急医療(高次救急)、災害対応、高度急性期医療、周産期医療及び緩和ケア医療を担当する。
 民間医療施設及び各分院・診療所との連携・役割分担を更に強化し、地域医療支援病院の認定に必要な外来紹介率80%の基準(現状45%)を満たすことを目指す。
A分院・診療所
 各分院及び診療所は、2つの機能を担うものとする。
 第一は、それぞれの地域における初期医療(2次救急含む)・一般医療を行うことであり、その機能を果たすたとめ、各分印及び診療所は各地域の医療のニーズと新市全体の医療バランスを考慮した医療科目を設置する。特殊科目の外来については、専門医が各分院及び診療所を巡回することも必要となる。
 第二は、新市全体に貢献できる特殊機能を分担することであり、その機能の例としては、リハビリテーション医療、緩和ケア、在宅医療、健康科学(健康増進・疾病予防)及び痴呆対策などが考えられる。各分院及び診療所は、これまでの経緯及び住民ニーズに基づき、これらのうち一つを分担し、高い専門機能を果たすものとする。
 新市の地理的状況に鑑み、これら特殊機能を新市の全住民に提供するためには、ただ単に各分院及び診療所に来院する患者を待つだけではなく、むしろ地域に入り込むサービスを展開する必要がある。
 上記機能のうち、大崎市民病院鳴子温泉分院についてはリハビリテーション医療と温泉を用いた健康管理の機能を拡充することが望ましく、大崎市民病院田尻診療所については痴呆の予防だけでなく、痴呆を疑われる患者の診断と治療、そして適切なケアの提供まで行うことが望ましいと考えられる。
 さらに他分院についても、本院との連携を図りながら、特色ある病院づくりに努めるものとする。

《主要機能(役割区分)》
区 分 主な医療機能等 基本となる施設基準・体制等
◎本院
大崎市民病院
(救命救急センター併設)
○高度、特殊、先進、専門医療
・がん、心疾患、脳疾患、腎不全
・総合リハビリテーション医療
・小児・周産期医療
・感染症(6床)、結核(24床)  など
○三次救急医療
○一般医療
○がん診療拠点病院
○臨床研修病院指定
○災害拠点病院
○地域医療支援病院(目標)
○医療機能評価認定
○臓器提供施設
・病床機能
 急性期
・急性期指標(目標)
 急性期入院特定加算病院
(在院日数17日以内、紹介率30%以上)

・緩和ケア病棟
・看護体制
 新看護2:1の配置
・救急体制
 医師、看護、薬剤、放射線及び検査の当直等体制

・その他
 患者移送者(ドクターカー)の配備
(所有:大崎広域消防署)
◎分院
大崎市民病院鳴子温泉分院
(鳴子温泉リハビリテーションセンター併設)
○初期医療(二次救急含む)
○一般医療
○リハビリテーション医療
○温泉療法
○健康科学(健康増進・疾病予防)
○訪問看護(在宅医療)
・病床機能
 回復期〜療養病床
・看護体制(原則)
 新看護3〜5:1の配置
・救急体制(病院群輪番制)
 医師、看護師の当直等又は日直体制
◎分院
大崎市民病院岩出山分院
(訪問看護総合支援センター併設)
○初期医療(二次救急含む)
○一般医療
○訪問看護(在宅医療)
◎分院
大崎市民病院鹿島台分院
○初期医療(二次救急含む)
○一般医療
○訪問看護(在宅医療)
◎診療所
大崎市民病院田尻診療所
(痴呆予防機能併設)
○初期診療
○一般診療
○痴呆対策(予防・治療・ケア)
○訪問看護(在宅医療)
・救急体制
 医師、看護師の日直体制
・通所リハビリテーション
・デイケア
※痴呆予防センター機能については、新市において検討する。


2 病床規模
                                               [単位:床]
名 称 現在の病床数 新計画病床 新病床構成(区分)
大崎市民病院 422 470 一般    470
(うち救命救急   30)
大崎市民病院鳴子温泉分院 170 140 一般     80
(うち回復期  40)
療養(医療)   30
療養(介護)   30
大崎市民病院岩出山分院 95 40 一般     40
大崎市民病院鹿島台分院 113 70 一般     40
療養(医療)   10
療養(介護)   20
大崎市民病院田尻診療所
合計 800 720 一般    630
(うち救命救急   30)
(うち回復期  40)
療養(医療)   40
療養(介護)   50
注1:政策病床(結核24床・感染症6床)を除く。
注2:新病床構成については、建設時に検討する。


3 診療科目
名 称 標榜診療科 特殊(専門)外来
大崎市民病院 内科(腎臓人工透析含む)・循環器科・消化器科・リハビリテーション科・小児科・精神科(メンタルケア)・皮膚科・放射線科・外科・脳神経外科・泌尿器科・整形外科・産婦人科・耳鼻咽喉科・眼科・麻酔科・形成外科・歯科口腔外科・(心臓血管外科) 糖尿病外来・甲状腺外来・心臓外来・脳神経内科外来・小児心臓外来・腎臓外来・呼吸器外来・内分泌外来・喘息外来・血液外来・リウマチ、膠原病外来・高血圧
大崎市民病院鳴子温泉分院 内科・神経内科・外科・整形外科・眼科・耳鼻咽喉科・リウマチ科・リハビリテーション科
大崎市民病院岩出山分院 内科・精神科・神経科・外科・眼科
大崎市民病院鹿島台分院 内科・外科・整形外科・呼吸器科
大崎市民病院田尻診療所 内科・耳鼻咽喉科・眼科 物忘れ外来
注)現状の診療科を記載


4 救急医療機能
 本院・分院・診療所は、当該する地域医師会・民間医療施設と連携し、救急・休日平日夜間診療体制を整備(堅持・拡充)する。
@ 旧市町をブロック単位とした区域輪番制を確立する。
A 救命救急医療は、本院併設の救命救急センターで引き続き実施する。




5 地域保健サービス
 急速な高齢化が進展するなか、住民の健康づくり(健康増進・疾病予防)に対する期待が高まっている。
 地域保健サービスは、従来、市町村が実施主体となって行われており、その強化が図られているところであり、その意味で地域保健サービスを新病院の政策的事業の一環として位置付け、「健康日本21」に基づく健康増進諸施策を全市に展開させる必要がある。さらに、学校保健などの各サービスの実施においては、本院・分院・診療所にて地域医師会との連携強化・役割分担をもとに強化する。


6 遠隔医療システム
 現古川市立病院と東北大学との間で実施している放射線治療・病理診断・感染症診断システムについては、各分院・診療所を含めたシステムへの拡大を図る。
 また、高度専門医療を担当する宮城県立病院(がんセンター、精神医療センター、循環器・呼吸器病センター、拓桃医療療育センター)との連携を図る。


7 情報システム
 本院を中心とした診療情報システムのネットワークを構築する。併せて病院事業局にて経営情報の一元管理(医事会計システム含む)を行う。
医療形態
 本院・分院と地域医療機関等とネットワークを結び、診療情報の連携を図り、本院・分院の機能を有効活用します。

医療形態
診察連携サーバ(以下、病診Web)を構築し、各連携施設より病診Webを介して、電子カルテ末端にて紹介状や診療データ参照など、患者中心として病診連携を実現。
また、同時に各連携施設へは紹介患者の状況報告、逆紹介情報など、診療情報を軸にした情報共有を実現。
インターネットを利用した場合には現在、最新技術のセキュリティ対策が必要です。VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)、セキュアID、およびWebサーバ内データ検索時のパスワード保護、ファイアオール、暗号化など徹底したセキュリティ対策を採用します。

W 経 営 計 画
1 政策医療への財政支援
 自治体が担うべき医療(地方公営企業法第17条の2)については、政策医療として行政側からの財政支援の算定基準を設け、一般医療との区分を行う会計上のシステム及びルールを確立する。


2 経営の健全化
@ 病院の経営の基本は、質の高い医療を適正に供給する組織を継続的に運営する原資としての資金(利益)を得ることにある。そのため単にコスト削減や増収・増患に着目するのではなく、「適正医師数」「技術力の高い医師」の確保などの適正な投資と、その投資を回収する意味での経営数値目標を明確にした病院経営の健全化を図る。
A 職員の意識改革を図り、各職員が経営意識を持つことによる「職員全員参加の病院経営」を目指す。
B 本院・分院・診療所の経営計画及び経営実績については、外部評価委員会等にて専門的な視点での評価を受け、「経営の健全化の確保」を堅持する。
※新病院経営の健全化を実現するため、合併前の不良債務については、各市町の責任において清算に努めるものとし、また、現在各病院が抱える累積欠損金は、経営統合時までに資本剰余金等の補填によって、解消に努力する。

X 市民参加による病院づくり
 市民への啓発活動を通じ、市民の理解と協力を得ながら、行政も積極的に各関係機関と連携し、市民とともに新市の病院づくりに努める。
@ 市民の参加による地域的偏在のない病院づくりに努める。
A 救急医療(休日及び平日、休日夜間救急)は、市、医師会並びに市民相互の理解と協力による体制の整備と市民への啓発活動を通じ、市民参加による救急医療システムの確立を図る。また、市民への救急医療に関わる情報をインターネット、広報等により発信し、救急医療に対する市民の理解、協力を求める。現在運用されている平日夜間における救急医療システム(古川方式)を市内全般に普及できるように体制の確立及び連携を図る。
B 市民への地域医療と各医療センターの役割に対する理解・啓発に関わる情報をインターネット、広報紙により発信し、地域医療の適正な確保に対する理解、協力を求める。市民の健康を維持するため、また市民の方への地域医療の確保に対する理解を得るため、電話相談窓口を設置し、幅広く市民の声を聴くことに努める。

Y 新市における連携体制
 新市における本院及び分院の役割・機能の具体的な検討と、医師会、保健所及び施設等の各関係機関と連携を行うための体制(ネットワーク)を整備するため、平成16年度に新たな検討委員会を組織し、合併における諸準備を整理する。
 なお、合併後も継続して協議できる体制・組織づくりも併せて検討する。

Z そ の 他
1 (仮称)大崎口腔保健センター
 新市における休日歯科診療所の充実、在宅要介護高齢者などにおける口腔ケアのニーズ、8020運動の一層の発展の観点から(仮称)大崎口腔保健センターを設置し、歯科治療だけでなく地域における歯科保健サービスの拠点とする。
 但し、本件については、新市のみならず近隣他町を含めた大崎地区全体における計画であるため、今後、関係自治体と協議を重ねながら、建設に向けて、整備方針・役割・機能等について検討していく。